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ユニレートの切削加工

精密機器や電気絶縁部品の分野で、近年急速に採用が進んでいる高機能樹脂が「ユニレート」です。PET樹脂をベースにガラス短繊維や無機フィラーを複合し、独自の加熱積層プレスで製造されたユニレートは、優れた寸法安定性・高い絶縁性・耐熱性を兼ね備え、切削加工や打ち抜き加工においても抜群の加工精度を実現します。

本記事では、ユニレートの特徴や実際の加工事例について紹介いたします。

ユニレートとは

ユニレートは、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)を主原料に、ガラス短繊維やマイカ、無機フィラーなどを複合し、押出成形後に加熱積層プレスを施して製造される高機能樹脂板です。

この製法により、優れた寸法安定性と絶縁性、高い機械的強度、耐熱性(連続使用温度:約120℃)、耐薬品性(NaOHを除く)、低吸水性(POMの約半分)など、電気絶縁材料や精密加工部品に求められる性能を幅広く備えています。特に、反りや歪みが極めて発生しにくく、高精度な切削加工・打ち抜き加工が容易に行える点は、他の樹脂にはない大きな特長です。

長所

・高い絶縁性(導電グレードを除く)

・優れた耐熱性(約120℃)

・高剛性・高強度

・低吸水性による寸法安定性

・優れた耐酸性・耐薬品性(NaOHを除く)

・耐候性

・高い加工性(切削・打ち抜きに適する)

短所

・耐摩耗性は低め

・アルカリ(特にNaOH)に弱い

・一般樹脂より材料価格がやや高い

主な用途

・トランスやコンデンサー開閉器などの電気絶縁板

・電子部品、半導体製造関連部品

・産業用ロボット部品、各種パレット・トレー

・食品機械部品

さらに、ユニレートには導電性グレード、帯電防止グレード、難燃グレードなど、用途や環境に応じた多様なバリエーションが揃っており、産業界において幅広く採用されています。

ベークライトからユニレートへの置き換えが進む理由

従来、電気絶縁材料として広く使用されてきたベークライトは、高い絶縁性と耐熱性を持つ一方で、欠けやすく、加工時に多量の粉塵が発生するという課題がありました。そのため、加工精度を保つには慎重な取り扱いが必要で、加工時間や工数が増えやすく、生産効率や作業環境への負担が問題視されてきました。

近年、この課題を解消する代替材料として注目されているのがユニレートです。ユニレートはベークライト同様に優れた絶縁性を備えています。また、欠けにくく、切削加工や打ち抜き加工が容易という特長があります。その結果、加工不良の発生を抑え、歩留まりを向上させることが可能です。

ユニレートは材料単価がやや高めですが、加工時間の短縮・不良低減・作業環境改善といった効果を総合的に考慮すると、トータルコストはほぼ同等です。生産性や品質安定性の面で大きなメリットをもたらすため、ベークライトからユニレートへの置き換えが進んでいます。

ユニレートの切削加工事例:プローブピンの通電チェッカー部品

こちらは、プローブピンを立てて製品や基板の通電チェックを行うチェッカー部品で、±0.01mm台の高精度穴加工が必要です。当社は精密加工技術により、この厳しい精度要件を確実に満たしています。

>>加工事例の詳細はこちら

ユニレートの切削加工のことなら、当社にお任せください!

ユニレートは、ベークライトの課題であった加工時の欠けや粉塵発生を解消し、精度・作業性・歩留まりの面で大きなメリットをもたらす高機能樹脂です。当社は、ユニレート特有の性質を熟知し、±0.01mm台の精密穴加工や複雑形状の切削にも対応可能です。電気絶縁部品、電子機器部品、産業機械パーツなど、高精度かつ信頼性の高い樹脂部品加工をお考えの際は、ぜひ当社にご相談ください。

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