PPSUの切削加工
医療機器や食品関連機器、さらには航空宇宙や自動車分野まで、過酷な環境下での使用に耐えうる素材として高い評価を得ています。その一方で、精密な加工を行うには高度な切削技術が求められる樹脂でもあります。
本記事では、PPSUの特徴や、用途、実際の加工事例についてご紹介いたします。
PPSUの主要な特性
優れた耐熱性
PPSUの連続使用温度は約180℃、ガラス転移点は218℃に達し、高温下でも安定した性能を維持します。短時間であれば200℃以上の環境にも耐えることができ、繰り返しのオートクレーブ滅菌や煮沸滅菌にも耐久性を発揮します。
高い耐加水分解性と寸法安定性
吸水率が極めて低く、長期にわたり寸法変化を起こしにくいことが特徴です。高温スチーム環境にさらされてもひび割れが起きにくく、医療器具の再滅菌処理用途に適しています。
透明性と光透過性
PPSUは可視光で90%以上の透過率を持つこともあり、透明樹脂の中でも高いレベルの透明性を誇ります。内部の流動確認や異物検査が必要な用途に有効で、ガラス代替材としても注目されています。
優れた機械的強度と耐衝撃性
耐衝撃性・靭性に優れ、同じ透明樹脂であるPC(ポリカーボネート)を上回る強度を示します。強い衝撃を受けても破断しにくいため、安全性が重視される分野に多用されています。
耐薬品性・耐放射線性
酸・アルカリ・油脂・アルコール・消毒薬などに対して優れた耐性を持ち、ガンマ線やX線などの高エネルギー放射線にも耐えます。医療・滅菌関連の過酷な条件でも安定した性能を維持します。ただし、一部の強酸や芳香族系溶媒、ハロゲン化炭化水素には注意が必要です。
耐候性(紫外線への耐性)
PPSUは屋外用途にも適する優れた耐紫外線性を持つグレードも存在し、長期間透明性や外観を維持できます。
PPSUの主な用途
医療分野
滅菌用コンテナ、内視鏡部品、コネクタ、メスのハンドル、人工関節部品、歯科器具など。滅菌耐性・安全性・透明性を生かし、患者に直接触れる製品にも使用されています。
食品関連機器
煮沸滅菌が必要な哺乳瓶や学校給食用食器、食品加工装置の透明窓などに採用されています。食品衛生法にも適合しており、安心して使用できます。
産業用途
透明性と耐薬品性を生かした配管やタンクののぞき窓、電子部品のカバー、航空宇宙や自動車分野での高耐熱部材などに利用されています。
PPSUの切削加工事例:注射器のピストン部
PPSUは蒸気滅菌を含む各種滅菌方法に優れた耐性を持ち、耐熱性・耐薬品性にも優れることから医療機器分野で幅広く利用される高機能樹脂です。当社は医療機器製造業の登録を有し、多数の医療部品加工実績を重ねております。高精度・高信頼が求められる医療部品の製作は、ぜひ当社にご相談ください。
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PPSUは、医療から産業用途まで幅広く採用される高性能樹脂です。
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